人種差別問題

最近、アメリカで警察官に黒人が射殺された事件をきっかけに、世界中で黒人差別反対運動がしきりに行われている。

 

その最中、このような記事を目にした。

 

news.yahoo.co.jp

 

日本でもおなじみ、あのチャンソネチャンサン(ジョンソン&ジョンソン)が、「美白製品は、白い肌を推奨するもので、黒人差別につながりかねない」と批判を受け、販売を中止することを決定したらしい。

 

まずこのニュースの見出しをパッと読んで、「は?」と思った。

 

おいおい待て。どういうことだ。

 

美白が黒人差別?

 

いや、なぜそうなる。

 

黒人差別糾弾もここまで来たか。

 

はっきり言って、これは黒人による白人差別になってきているのではないか?

 

これは一企業が、白人に向けた化粧品ではないのか?(イエロー〇ンキーの我々日本人も美白を目指す女性はいるが)

 

別に、「肌が白いことが正しい」という全体主義的な押し付けではなく、あくまで肌の色が明るい人向けの製品でしかない。

 

そもそも美しさの基準というのは、人それぞれによって価値観が異なる。

 

先日、女優の水原希子が、美しい顔ランキング的なのは外見至上主義でしかなく、美しいの判断は一概にされるものではないんだといったことを主張していたが、まさしく白人からしたら白く透き通った肌が美しいんだと思う人もいれば、黒人であっても黒い肌が美しいと思う人がいるのだ。

 

しかし、「美白製品は白人至上主義だ」という主張はいかがなものか。もはや白人の価値観を否定しているものではないか。

 

白人、黒人、黄色人種など、色んな人種がこの世界にいる以上は、それぞれの価値観を持っている。しかし自分と違う人種の価値観を否定し、どちらかマジョリティーが統制してやろうというのが人種差別に近づくのだ。

 

今の世の中では、白人による黒人差別はよろしくないという風潮に段々となってきているが、その流れで次は黒人への圧倒的な配慮をするべきだとなってしまえば、これは今度は白人が迫害されることになる。

 

我々日本人も、一応黄色ではあるが白人に近い意識を持っており、黒人に対しては「明らかに自分らとは違うな」とは思っているのが大抵だ(白人からすればアジア人はイエモンだから違うと思う場合もあるが)。

 

歴史的に今まで迫害されてきた人種の権利を見直し、態度や偏見を改めるのはいいことだが、だからといって次にその人種を崇めるかのごとく至上のような扱いをすることは、かえって形勢逆転や新たな差別の発生にもなりかねない(今まで白人が黒人を迫害してきたが、それが黒人が白人を迫害する立場になり、白人を排他的に扱うような両者の意識が生まれる)。

 

差別撤廃とは、あらゆる人種が互いに同じ地位にあり、認め合うことで共存できる社会を作ることである。

 

だから、今回の美白製品問題に関しても、美白意識を持つのは白人自身の美しさを追求するもので、黒人への差別的意識ではないことを互いが理解しなくてはならないし、黒人や黒人差別に反対する黒人以外の人種が、白人の美白意識を糾弾することは、決して差別問題解消ではなく別の迫害になるということまで考える必要がある。

 

違う人種である以上、それぞれ区別しなくてはならない点がある。もし、黒人が自身の美しさを肌の黒さと定義し、それを白人にまで強要するとなると、それは白人のアイデンティティを失いかねない。

 

白人には白人の美しさ、黒人には黒人のそれがあることを認め合えば、今回のような問題は起きなかったであろう。