今夜、すべてのバーで

気がつけば9月も今日で終わりだ。いやー、あっという間だった。

 

7月から続いた緊急事態宣言もようやく解除となり、明日からはまた平常運転になるか、いやまだ予断を許さないか。

 

特にここ2ヶ月は家に軟禁状態で満足に外で遊ぶことができず、ストレスから毎日のように酒を飲んで過ごしていたが、今夜も例外でない。

 

ここ最近は「白霧島」の1.8の紙パックを買ってきては家でちびちび飲んでる。

焼酎は25度くらいでロックで飲んでも案外きつくないから、結構な量を一度に飲めてしまうのもおそろしいところだ。

 

ひどい日なんかは家で一人飲みしてるくせにトイレでオエオエ言うこともある。というか実は昨日もそうだった。

 

酒を飲んでるうちに色々嫌気がさしてこんな人生ドロップアウトして自暴自棄になってやろうかという気もするが、そんな中読んで面白かった小説の話でもしよう。

 

中島らもの『今夜、すべてのバーで』(1994年、講談社)である。

 

先日ブックオフに読まなくなった大量の漫画本を売ろうと思い訪れた際、手に取った一冊である。

 

実はその前日に、YouTubeでたまたま中島らもの「いいんだぜ」という曲を聴き、中島に興味を持ったのだ。

放送禁止用語の並ぶ過激な歌詞は実に刺激的、そして中島の生き様に感銘を受け、なにか小説を読んでみたいとちょうど思っていたのだ。

 

なるほど、いいタイミングで古本屋に来たからには中島の小説を買おうじゃないかということで「な行」のあたりを探してみると、何冊か置いてあった。

 

僕は非常にケチな人間なので、100円で買えるものはないかと思いきやそれはなかった。

「今夜、すべてのバーで」というのは中島のWikipediaで知ったのだが、中島がアル中で倒れた際の経験を基に書かれたもので、なんとブックオフにこれがあった。

 

どうせ300円くらいと思ってレジに持って行ったが、なんと500円も取られた。

 

まあまあ、持ち込んだ漫画本が売れりゃその分回収できるだろうと思いきや、漫画本には一銭も値段がつかなかったので、結局ゴミを出したついでに500円落としてきたようなものになった。

 

夜になってから、せっかくアル中が題材の小説だし飲みながら読もうじゃないかということで、バッチリ焼酎を用意して読み始めたが、これが期待以上に面白かった。

 

別にここで内容とかあらすじを書くつもりはないが、普段本を読まない自分がここまで惹き込まれたのは何年ぶりかという感じだった。

なんと4時間ほどで読み切ったが、その頃にはベロベロに酒に酔ってやっぱりトイレでゲロゲロした。

 

これ以来その小説を思い出すと気分が悪くなったので、もう読み返したくない。