飲食店のキッチン

自分は飲食店でアルバイトを3年以上続けている。

居酒屋は週末の夕方から夜にかけてが特にピーク帯となり、これ作りきれないんじゃないかと思うほど混み合ったことも2年前まではあった。

それに、一人一皿というわけではなく、客は思い思い食べたいものをオーダーするので、一度客が入ると断続的に注文が入ることになる。

 

そんなこんなでアルバイトを始めてからは外食に行くと、厨房の様子もなんとなく掴めるので、多少料理の提供が遅かったり、見た目が写真より悪かったりしても

「これだけ混み合ってるならしょうがない」

と思うようになった。

 

とはいえ、度を過ぎて提供スピードに問題があったり、明らかに見劣りするような盛り付けになった料理を目の前に出されると、よくこれで商売が成り立つものだと思うことすらある。

 

ある日、某回転寿司チェーンに訪れたのだが、その日は平日ではあったもののちょうどお昼時ということもありそこそこ客が入っていた。

 

最近はコロナ対策だとか食品ロス対策だとかでレーンに寿司を回しておかず、客はテーブルに設置されたタブレットから注文して、「注文の品」として流れてきた皿を取るシステムが多いが、こうなると席に座った途端すぐにレーンから適当な寿司を取って食べることもできない。自分で注文して流れてくるのを待つしかないのだ。

 

そうなると、なかなかに待たされることになるのだが、混んでいたこともあって最初の一皿が到着するまで10分ほど待たされた。少し長いとは感じたが、ここは厨房の大変さを察して仕方ないこととする。

しかし、自分が頼んだ同じネタが他の客の注文品として流れていく様子を見て、なぜ同じものをいっぺんに作らないのかは疑問に思った。

 

それに、一皿100円の回転寿司にそんなもの求めてどうするんだと言う声も聞こえてきそうだが、明らかに見栄えの悪い盛り付けで提供されたこともしばしば。

アジの切り方とか、天ぷらにかけるマヨネーズのかけ方、ネギなどの盛り付け方など、提供スピードを重視しただけの雑な盛り付けが目立つ。

 

確かに、自分も混雑時に料理の盛り付けに関して雑になったり、メニューの写真より見劣りするような皿を提供したことがあり自分も反省するポイントであるが、こういう誰が見てもだめじゃないのと思うような仕上がりで客に提供するのは、社員が止めるべきではないか。

 

自分もアルバイトとして作った料理を、社員から見栄えの悪さを指摘されたことが幾度かあり、厨房の大半の作業をアルバイトに任せる分最後に監督するのは社員の仕事だと思っている。

 

外食チェーン店のスタッフのおおよそはアルバイトであり、彼らは(自分もだけど)与えられた仕事を淡々とこなすことしか考えないのが普通である。

だから、より完璧に仕上げようだとか、細かい点まで気を配ろうとか、そういった視点では仕事をしないだろう。ただ、頼まれたものをレシピ通り作って客に出せばそれでいい。

 

しかし、そういった考えで作られた商品をそのまま出すだけでは、客にとって満足いくかどうかは分からない。

 

そこはしっかりと社員が責任を持って見てあげるよう努めたほうがよい。

 

どうすればもっと効率良く作業をこなし、より見た目の美しい料理に仕上げられるか、そういった意識を持てとまではいかないが、最低限の努力をアルバイトにさせるなり、社員から指示を出したりしたほうが、客の満足度アップにもつながるはずだ。

 

値段が安いから粗末なものでもいいというのはいかがなものか。

有名な外食チェーンとして看板を掲げている以上はそういった考えを持ったほうがいいだろう。

 

もちろんこれは自戒の意味もこめている。

自分も精進していけるように意識していきたい。